入籍に至るまでの経緯 第2話

前回のラストより正式に付き合うことになったので、遠慮なくいろいろ連れだせる。
QMAの大会に一緒に行ったのはもちろん、一緒に買い物したり映画を見たり食事したり、長い休みを利用して遠くに旅行に行ったり。
それはもう、本当に楽しい日々だった。
こうして一緒に遊ぶうちに、徐々に結婚について考えるようになる。
そう考えるようになったのはおおよそ2つほど理由がある。


まずは、様々なことに対して似たような考えを持っているということ。
とにかくお前は僕の妹か、っていうぐらい何事にも意見が合う。
生活に関すること、仕事に関すること、もし結婚したらどのように暮らして行きたいか…。
QMAやって別の店舗でトナメ同突しても、なぜか同じ間違いをしたり…。
何かを見てコメントする時、同じタイミングで同じことを言ったり…。
なぜか二人とも右利きなのに、腕時計を二人して右手につけていたり…。(考え方じゃありません)
やはり考え方が全く違う人間とは、一生ずっと一緒にいるのは苦痛なことだろう。
これだけは、自分の中では譲れないことだった。


あとは自分の趣味のことを受け入れてくれたことか。
正直ぷよに「最初会った時はドン引きした」と言われたような趣味だったけど。
世の中夫のコレクションを妻が全部捨てた、とかいう話をよく聞くが、そんなことされたら最悪の場合発狂しかねない。
まあ、万が一のことがあってもこういうことを未然に防ぐために、あえて最初から趣味全開で接していたのはある意味戦略だったわけだが…。
僕の趣味が受け入れられないなら、最初から好きになってもらわないように。


結婚について考えるほどになったならば、やはりうちの親にも話しておかねば。
ということで実家に帰って付き合っているという話を出してみる…。
その時の両親のうろたえようは半端なかった。
そりゃあ、家で堂々とフィギャー改造したり、アニラン7やって衣装まで自作(手伝いを親にさせた)とかしている息子だからねぇ。
一生一人なのではと思っていたようだ。
人間ってわからないね。


ぷよも結婚に対しては同じぐらいの時に同じような気持ちを持っていたようで、そうなると話は早い。
相手のご両親に会って、自分の両親に紹介して…。
ご両親に結婚の許可をいただきに行くときはものすごく緊張して、何て言ったか覚えていない。
そして2011年中に式を挙げよう、という段階まで話は進む。


全てが順調に進む、はずだった。
この順風満帆な中、大きな障害が立ちはだかることに…。


4月からの東京への転勤である。


よく言われる話では、遠距離であればある程恋は実らないという。
また、僕とほぼ似たような状況で昨年東京に行かされた先輩は、それから関係が冷めたと聞いている…。
僕等の恋も、これで終わるのか…?


いや、たかが距離が離れた程度で終わるわけがない!
今までだって福岡と大分で離れていたわけだし。
逆に考えるんだ。普段行く機会がない関東で一緒に遊ぶ口実ができたと。
むしろ冷めるどころかより熱くなった気がした。


しかし熱くなったところでやっぱり式を挙げるのは困難。準備とか二人一緒にする必要があるんで。
でも入籍だけならできる。
そこで二人で話し合った結果、まずは入籍して、そこから式を考えようということに。
その入籍の日だが、式と違い大きな準備は要らないのでいつでもできる。
ではいつにするか…。せっかくなのでちょうど付き合い始めた時と同じ日、8月7日にしようと。