入籍に至るまでの経緯 第1話

大学を卒業したら、2年間研修をするのが義務である。
研修するのは基本的に受け入れている病院であればどこでもよく、周りの人間は県内の病院を選んでいたが、僕はあえて大分県の中津を選んだ。
というのは、僕はずっと大学を卒業するまで福岡県内で過ごしていて、県外で過ごしてみたかったからだ。
そしてあまり離れすぎないということで、大分。
この気まぐれが後にこういう結果になろうとは、僕自身知る由もなかった。


この頃はQMAのバージョンは4であり、まさにQMA的にも盛りあがっている時期であった。
3の頃から福岡の大会にたくさん参加して、大分に越してきても何か大会がないか探してみた。
すると、中津のゲーセンだけでなく大分市内のトライセンというゲーセンで大会があるという情報を得た。
比較的新しいゲーセンのようで、大会自体も第1回らしい。
せっかく引っ越してきたということで、参加することにした。
最初は行き方をよく知らなくて、大分駅から6〜7km歩いて参加したのはいい思い出だ。


そしてその最初に参加したトライセンの大会に、ぷよはいた。
最初は大分にも女性プレイヤーはいるんだな、程度にしか思っていなかった。


大会の様子を見ていると福岡ではほぼ見かけなかった学問ランダム3(学問が文理に分離(f していなかった頃の呼称。今でいう理系)をよく投げている。
それだけでも気になる存在ではあった。
そして大分の大会では大会後みんなで食事に行くのだが、そこでいろいろ話しているうちになんだか分からないがすごく惹かれるものがあった。
なにか、妙に気が合うというか…。
そうして何回か大会に互いに参加するうちに、この子と付き合ってみたい、と思うようになった。


だが、それには大きな問題があった。
ぷよには当時すでに彼氏がいたということである。
せっかく既に付き合っている人がいるのに、僕のような人間(まかいぞうし)がそういう思いを表に出していいのか。
そんなことしても、きめぇと切り捨てられるであろう…。
まだまだいろいろ話はしてみたいのだけど、時がたつにつれ自然と距離を置くようになってしまった。


その後も今はQMAなき梅光園の女性(+男の娘)限定大会の準備を手伝ってくれたり、和白の大会に一緒に行ったりするも…。
ただ単に「QMAで会った知り合い」程度にしか思わないことにしていた。


こうして、もやもやした日々が続いた。
そんなある日「二人で一緒にドライブに行きませんか」というメールをもらう。
彼氏がいるのにそんなことしていいのか?それとも僕が考えすぎなだけか?
だが断る理由はなかったのでホイホイついていくことにした。


あの時は、国東半島の辺りを回った。
磨崖仏を見て、寺を見て回り、昭和の町に行って、一緒に食事して…。
この日は非常にいい天気で、互いに磨崖仏見に行く時に汗だくで死にそうになっていたけど、二人きりのドライブはとても楽しかった。
やっぱり、この子とずっと一緒にいれたらなぁ…。


ドライブも終わり、中津で別れ、しばらく部屋で一人悶々としていた。
しばらくしたら電話が…相手は何とぷよだった。
何だろうかと話を聞いてみると…。


要約すると「つきあって下さい」ということだった。
既に相手がいるんじゃなかったのか、と聞き返すも既に別れたとのこと。


これを聞いて、迷うことなく喜んで承諾した。
というよりむしろこちらこそ、という感じで。
今からちょうど3年前の8月7日のことであった。